a_sue’s diary

a_sue の日記 はてなブログ版

『歴史をつくったアニメ・キャラクターたち』 おかだえみこ キネマ旬報社

11月中旬に見かけて、ビックカメラで取り寄せてもらってポイントで購入したのが12/4。

なかなか順番が回ってこなくて、この連休になってやっと着手して即読了。

世界の長編アニメの歴史を系統だてて説明してあって、大変興味深く、面白かった。

そもそも、僕は自分で見てない作品についての知識があまりないうえに、自分で見てる作品についてもその背景とか成立理由などについて深く考えたことのない人間なので、こういう形でまとまったものを読むと目から鱗

だいたいディズニーの長編がどういう順番でいつごろ世に出たのかもよく知らなかったので、最初の「白雪姫」が出てきた時代背景として、映画の付け合わせの短編ではもうからないからとか、そういう事情があったことなど想像の範囲外だった。

フライシャーの「バッタ君街に行く」が太平洋戦争のおかげで興行的にうまくいかなかったというのも、思ってもみなかった。

しかし、製作費を少しでも回収するために製作途中で公開されてしまった「やぶにらみの暴君」と、完成品である「王と鳥」の違いについては厳しい厳しい。僕は一応どちらも見てるんだけど、「やぶにらみの暴君」は30年ぐらい前にフィルム上映会をやった時に見たっきりで、ラストがどうだったかとかすっかり忘れてしまってて、DVDで「王と鳥」が出た時に廃墟のシーンに見覚えがないとは思ったものの、ここまでガッカリはしなかったような気がする。「王と鳥」はそんなにひどくなってましたか。

で、それぞれの作品に登場するキャラクターがどういう性格付けをされていて、それがどう画期的だったのかという分析になると、それこそ考えてもみなかった世界で、恐れ入るばかり。

日本でテレビアニメが成立したのは、繊細なアニメーションの表現よりもドラマを主体とした作品に子供たちが慣れていたから。その前段としてマンガや絵物語があった。さらに、アメリカではヒーローは常に大人であり、子供が主体的に戦ったりすることがないのに対し、イギリスや日本では戦う子供が多数登場するのは少年を主人公にした冒険小説にまでさかのぼる下地があったと。

そんなこんなの話をわ~っと読んで、きちんと自分のものとして整理できないまま書いてるんでなんか滅茶苦茶ですが、面白かった。

アニメーションの歴史に興味のある人は必読でしょう。って、発売から2カ月もたとうとしてる頃にやっと読んで何を言ってるんだろう僕は。