a_sue’s diary

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『オタクはすでに死んでいる』 岡田斗司夫 新潮新書 新潮社

買ったのはここ
ロフトプラスワンで行われたトークショーオタク・イズ・デッド」の内容については興味があったが、特にウェブを検索することもなくこれまでよく知らなかった。この本を読んで、なるほどと思った。
先に読了した『オタク学入門』のところであまりはっきり書かなかったが、僕の認識する「オタク」は岡田斗司夫が言う「オタク」とあまりずれがない。で、最近の秋葉原で萌えてるお兄さん方に代表される若いオタクってちょっと違う人種かなという気がしていた。この本にまとめられている内容について、なるほど、そうだったのか。ということで納得。
「第6章SFは死んだ」で書かれているSFの話。SFの浸透と拡散といわれたりもした、SFが特別なものでなくなっていった経過というのはちょっと年をとった人間ならみんな知っている話で、それと同じことが「オタク」にも起こったということ。なるほど、そうだったのか。ですよ。
単にオタクに限らず日本の文化が変わっていくということについては『ぼくたちの洗脳社会』からの共通した認識があり、岡田斗司夫自身が書いているようにもっと大きな現象が背後にあるのだと思う。ビジネス書の棚をぼーっと眺めている範囲で、そういう視点で現在の日本の状況について語っている本って、あまりない。でも岡田斗司夫の一連の著作もタイトルを見てるだけだとそういう問題について語ってるように見えないんだよね。時間がたつともっと評価されるのかも知れないという気がしています。
ああ、一点だけ「オタク」について、そこまではついて行けないと思うのは、イベントを開催してしまうほどのクリエイティブさ/生産性は僕が思ってる「オタク」も持ってない。布教活動は行うとしても、せいぜいそこまでだな。かつてアニメ上映サークルのスタッフだったこともあるけど、自分で始めたことではなく、人が始めたことに誘われて参加してただけだし。冒頭で、若い声優さんを呼んでイベントをやったら?という話には、僕などは腰が引けてしまうと思う。

オタクはすでに死んでいる (新潮新書)

オタクはすでに死んでいる (新潮新書)