a_sue’s diary

a_sue の日記 はてなブログ版

『エロス 広瀬正・小説全集・3』 広瀬正 集英社文庫

買ったのはここ
今朝着手したら止まらなくなった。
何度読んでも見事だなぁ。
実は今回、意外に早い時点でヒントが出されていたことに気づいちゃった。また、他の作品に登場する人物がこの作品にも出てくるのだけど、そういう遊びって気づいた時にはうれしいよね。やりすぎるとイヤミだけど。
この作品のなかでは「風が吹けば桶屋が儲かる」と現わされているけど、ちょっと後だとやっぱりバタフライ効果という方が当たっているだろうな。
ほんの些細なことから世界が大きく変わってしまう。それをきっちり描いてみせる。そしてまた、過去の風俗の描写に関するこだわりという、広瀬正作品に共通のサブテーマがここでも存分に発揮されている。
それにしても、26年前、独身時代に読んだ時にはこのラストがこんなに切ない話だとは思わなかった。人は、経験によって物事の受け止め方が変わってしまうのだ。それはこの作品の中にも書かれていることだったりする。
堪能しました。

エロス 広瀬正・小説全集・3 (広瀬正・小説全集) (集英社文庫)

エロス 広瀬正・小説全集・3 (広瀬正・小説全集) (集英社文庫)