買ったのはここ
面白かった。
昭和30年代に初めて映画館に連れて行ってもらって以来、いろんな映画館でいろんな映画を見たけど、東映と東宝がこんなに違ってるとか、そういうウラの事情は全く知らなかったので、大変興味深く読んだ。
「日本沈没」は公開時に劇場で見てるのだけど、「仁義なき戦い」シリーズは全く見てないのだよなぁ。
東映の大川博は、東映動画長編のクレジットに出てくるのでなじみの名前なのだけど、この本ではアニメに手を出す話は全く出てこなくてちょっと残念。
映画を大量生産して回収するために映画館を増やした時代から、大作のロングランの時代へ。
二本立て、三本立てを立ち見で何度も見たりしてた時代から、シネコンで確実に座って一本を見る時代に変わっていく背景がよくわかっておもしろい。シネコンの時代までは書かれてないけど。
「グアム島珍道中」は、「動脈列島」と一緒に見たような気がしてたんだけど、「日本沈没」の併映だったのね。途中で「日本沈没」だけになっちゃったようだけど。
怪獣映画の併映とかだと、テレビマンガをやってたり、昔の映画をやってたりしたのにたいして、「グアム島珍道中」は今普通にテレビに出てる井上順と酒井和歌子がそのまま出てて、いったいこれはいつの映画なんだろうと思った記憶がある。そういうプログラムムービー的なものの存在が意識になかったのね。
黒澤明が難しい存在になっていって、黒澤プロダクションとして独立させる話とか、その他の独立プロと配給に専念していく東宝とか、外から出来事としてだけ知ってることの裏側っておもしろい。
仁義なき日本沈没―東宝VS.東映の戦後サバイバル (新潮新書)
- 作者: 春日太一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/03/01
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 18回
- この商品を含むブログを見る