a_sue’s diary

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『星のパイロット』 笹本祐一 朝日ノベルス 朝日新聞社出版

買ったのはここ
文庫を買ったとき読んで、再読はしてないと思うので15年ぶりか。
久しぶりに読んで、おぼえてたのは冒頭でヒロインがコブラを決める所ぐらい。あとはほとんど覚えてなかったけど、雰囲気の印象は強く残ってて、それがこの作品の一番の魅力。
「妖精作戦」シリーズを読んだときに、彼らの高校生活がうらやましいなぁと、当時すでに社会人だったのに自分の高校時代を振り返ってうらやんだものだけど、この作品を読んだときには、こんな風に趣味のようでプロフェッショナルな仕事の仕方にあこがれたもんだ。自分にはそんな能力はなかったけど、あの頃はまだあるかも知れないと勘違いできた。
今回おまけで収録されている1995年のカリフォルニア取材旅行記がまた面白いんだ。「宇宙へのパスポート」シリーズが面白かった人ならおすすめ。って、そんな人は言われるまでもなくこの本を買ってるよな(笑)
近未来の設定で、今回加筆された部分から読み取れる設定時期は2015年以降の数年って感じかなぁ。すでに今現在が、民間の宇宙機が衛星軌道に上がる時代。これが日常になるまで、そうかからないよね。
地に足の着いた現在と、野田=宇宙軍大元帥=昌宏氏の「銀河乞食軍団」のあいだにあるような物語。やっぱりこれはおもしろい。
ちなみに、今回新たな後書きとおまけの取材旅行記の他に、松浦晋也さんの解説が当時夢見た未来と現実について書いてくれてるのも興味深い。
あと、本編に手を入れてるって話があるのだけど、残念ながらソノラマ文庫版をどこに埋めてあるか、掘り出せないわ。と思ったら、Jコミでソノラマ文庫版のPDFが、フリーで公開されてましたよ。
笹本祐一先生のSF小説、『星のパイロット』(1997年ソノラマ文庫版)を公開しました (イラスト:鈴木雅久) - (株)Jコミックテラスの中の人
いやあ、いい時代だ。え、こんなに違ってたの?ってもんですよ。
飛行手順を延々数ページにわたって描写するようなこの世界、おもしろいと思うのは作者だけじゃないよ。
次はミニスカ宇宙海賊をはさんで「彗星狩り」2分冊らしいけど、今回の加筆部分が微妙に世界観に影響を与えそうな気がするんだけど、考えすぎかな?

星のパイロット (朝日ノベルズ)

星のパイロット (朝日ノベルズ)