a_sue’s diary

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『デフレの正体 ──経済は「人口の波」で動く [Kindle版]』 藻谷浩介 角川oneテーマ21 KADOKAWA/角川書店

買ったのはここ
割り込みが入ったりしたのでちょっと時間がかかったけど、面白かった。

ずっと、リストラで社員を減らしたり、正社員を給料の安い非正規に置き換えたりするのって回り回って自分たちの客を減らすことじゃないかなぁと思ってた。
この本にはそのことをデータで書いてある。僕が思ってたのが甘かったのは、年代ごとの人口の違いの影響がリストラとかよりもずっと大きいってこと。
昔から見なれていた、団塊の世代団塊ジュニアだけが突出して、だんだん少なくなっていく人口分布図の意味がちゃんとわかってなかった。現役世代に入ってくる人の数と出て行く人の数の差がどんどん効いてくる。
現役を引退した世代は、欲しいものもないし、今後の生活の不安もあるので買い物をしない。買い物できる人が減って、消費活動が鈍り、企業の売上が伸びない。
どうやれば消費活動を活性化できるか、減少する労働人口をカバーできるか。
生産性とは、いかにして付加価値を生み出すか。原価カットのために社員を減らすと、それは地域に落ちる金を張らし、購買力をそぐ。いかにして多くの金を地域に落とすか。
後半はそういう提案もいろいろ書いてあって面白かった。ぼくはベーシック・インカムに賛成なので、基準を設けて補助を出すとかの、管理手続に余計なコストがかかる方法はあまり賛成ではないのだけど、単純に年別で区切るならありかなと思う。

低い評価をしてる人たちの中にはデフレの定義がおかしいとか、経済理論に反してるとかいう意見があるが、

「理論は理論に過ぎない。これは観測された事実なのだ」 by リチャード・シートン

ですよ。

しかし、我が身を振り返ると、若い頃は給料が安かった上に将来の不安なんかそんなになかったから貯金はほどほどでどんどん消費してて、年を取ったら成果主義とかいわれて給料は上がらず、子供の教育費は信じられないくらい高騰してて、住宅ローンが残ったまま定年を迎えようというのに年金がどうなるかもあやしいというのは、つらいよなぁ。