a_sue’s diary

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『東京β: 更新され続ける都市の物語』 速水健朗 筑摩書房

買ったのがここ
通勤で読んで、昨日の帰りにはほとんど最後までたどり着いてた。今朝の電車で読了。実質3日かな。面白かった。
何が面白いって、亀有付近に四半世紀住んでて、現在は新橋で乗り換えてゆりかもめ臨海副都心に通勤してる。その通勤途中に読んでるんだもの、この本で書かれてるまさにその場所で読んでいる感が半端ない。

この本で書かれてるのはウォーターフロントとかリバーサイドとか、隅田川・荒川沿いだったり埋立地だったり。
映画や小説に登場する場面の描写からその土地の遷り変わりを描く、というとちょっと違うか。その時代時代に注目だった場所とか、発展していったところとか、その発展前の状態だとかを描く。
レインボーブリッジが開通したころのお台場とか。汐留もゆりかもめが開通したころは何もないとこを通ってて、汐留には駅の設備はあるが停まらない期間が結構長かったよな。
意外に舞台になってるのが千住付近だったりする。映画『東京物語』が堀切だってのは知らなかった。Amazonプライム・ビデオで見られるんだけど、ウォッチリストに入れっぱなしになってるな。見ないと。
あと、買うきっかけになった劇場版パトレイバーは、1作目2作目とも結構なページ数を使って扱ってある。高層ビルとそれから取り残された下町と。

読んでてちょっと意外だったのは、青島都知事が都市博を中止したことを否定的に書いてることかな。臨海副都心の発展阻害要因の一つだと。当時も今も、僕は中止に賛成だった。

それはさておき、巻末に参考文献リストは載ってるんだけど、取り上げた映画やテレビドラマのリストがないのが残念。
副都心を舞台にした二つの刑事ドラマとして「太陽にほえろ!」と「踊る大捜査線」を対比したり、千住のお化け煙突が映っている映画とか、宮部みゆき「理由」のモデルになった高層マンションとか。南千住のアクロシティって自転車で通ってるコースから外れてるので近くに行ったことはないけど、そういうのがあるのね。そういやその辺の説明で載ってる地図の鉄道で北千住と書かれてる場所はどう見ても南千住だった。
思い出しながらあれこれ書いてると切りがないが、たっぷり楽しんだ。