a_sue’s diary

a_sue の日記 はてなブログ版

『新版 ジャパンアズナンバーワン Kindle版』 エズラ・F.ヴォーゲル (著), 広中和歌子 (翻訳), 木本彰子 (翻訳) CCCメディアハウス

買ったのはちょうど4ヶ月前。
a-sue.hatenablog.com
着手したのがいつかなと思ったらあった。


4月23日か。1ヶ月半ぐらいでしたね。

最初の本が出たのが1979年で、底本の新版が2004年、この電子版が2017年発行らしい。
最初の本が出た頃話題になったのを知ってるが、当時大学生で、1980年代の頭に社会人になってるがビジネス書の類いを読むようになったのは1990年代に入ってからなので全く読んでなかった。
この本に書かれてる日本の素晴しいことって、1980年代頭に製造業の設計で社会人になった人間にとっては当たり前のようにそこにあったこと。
官僚が天下りしていい思いをするのも、それまで公務員の大して高くない給料で死ぬほど働いたご褒美だと思ってたし、業界の談合体質とか、官に主導される業界とか、みんなで幸せになれるなら何の問題もないと思ってた。
終身雇用の年功序列の下っ端でスタートしたので、同年で金融の人間の半分ぐらいしかもらえてないらしいと聞いてた。そういう友達がいなかったから具体的に聞いたことはないが。
1980年代は右肩上がりで、毎年給料が上がるのが当たり前だと思ってた。
それが1990年代になって、成果主義とかいろいろいいだして雲行きが怪しくなってきた。
実はこの本の中でも、高度経済成長期が終ったらどうなるかと書いてある。
まさにそれで何もかもおかしくなった。
製造業から情報・サービスと、人間以外の資源を持たない日本にとってはいい方向だったはずなのにダメだった。
この本でアメリカが日本にくらべて問題を抱えているというポイントを次々に取り入れることで日本はおかしくなった。
素人の時代になったと思ってるんだけど、官僚が政治家に支配されるようになったのがその象徴的な出来事なのかも。
この本で賞賛されている専門家としての官僚から、どこから引っ張ってきたかわからない人貸し屋の会長に経済をまかせたあたりからあらゆることが素人の目先の判断でめちゃくちゃになった。
2004年に書かれた新版への訳者あとがきが収録されてるけど、それから17年たって、事態は当時の予想を遙かに下回ってひどいことになってるってのはなぁ。

まあ、年寄りの戯言だけど「あの頃は良かった」。
あのままいい方向にだけ変わって行ってたら今はどうなってたんだろう。