a_sue’s diary

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『氷室冴子とその時代』 嵯峨景子 小鳥遊書房

分厚いソフトカバーで、通勤読書はもっぱら kindle になってるから読むのは自宅のみ。
400ページ弱の2割程度でこの連休に突入して、残りを一気に読み切ってしまった。

帯とあとがきにある言葉

この本を開けば、氷室冴子にまた会える。

まさにその通りだった。

1984年に『クララ白書』を入手した時点ですでに社会人だったけど、以来1996年の『銀金』あたりまで気がつけばコバルトの新刊をチェックして、その後読んでないものを後追いで読んだという氷室冴子体験の中で、氷室冴子が何を考えてその作品を描いたのかなど、考えたこともなかった。
この本で分析されている、時代背景と氷室冴子が戦っていたものに対してどういうスタンスで作品を書いていたのかを知ることで、氷室冴子がそこに居るような感覚にとらわれる。
文体が変っていることなど、ほとんど意識したことがなかったなぁ。
そういう意味では本読みとして僕はかなり鈍感なのだな。

90年代後半からの新装版は、持ってるからいいやと思ってスルーしてたのだけど、あとがきぐらいは立ち読みしてたかなぁ。結構リライトされてるそうで、それ込みでスルーしたのかもしれないが。
海がきこえる」がアニメージュ連載版から単行本で大幅カットされてたというのは『海がきこえる COLLECTION』を読んだ時に知ってショックを受けたけど、具体的に数字で連載23回600枚が300~350枚になっていると書いてあって、あらためてあの頃買ってたアニメージュで読んでなかったのを後悔。
『なぎさボーイ』にやや遅れて気づき、読んだ直後に『多恵子ガール』が出て、さらに『北里マドンナ』がイラスト渡辺多恵子のハードカバーで出て、これは今も手元に持ってるんだけど、その後出た『北里マドンナ』の文庫は、カバーイラストも変って、持ってるからいいやとスルーしたんだけど、これも手が入っていると云うことで、これは読まないと。
まあ、読んでも前のを忘れてるから意味ないか。
と、書きながら蔵書リストをチェックしてたら、買って読んでるじゃん文庫版 orz。
買わなくて良かった。
まあ、kindleで3冊買うというのはありなんだけど。

第10章で亡くなるあたりは読んでていろいろ思い出しちゃった。
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新しい世代に氷室冴子作品を読んで欲しいなぁ。