a_sue’s diary

a_sue の日記 はてなブログ版

『手塚治虫は「ジャングル大帝」にどんな思いを込めたのか:「ストーリーマンガ」の展開』 竹内オサム ミネルヴァ書房

買ったのはここ。
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着手したのはもっと後だけど、ずいぶん時間がかかった。

着手して思ったのは、当初単行本として企画した作品を雑誌掲載に修正することになって、単行本の見せ方から毎月数ページというスタイルでの見せ方に変え、さらにそこから単行本の見せ方に変えるという経験をしてること。
手塚治虫が作品の書籍化のたびに手を入れるという原点はこれか。
最初の原画は素材でしかなく、発表形態に合わせて見せ方が変わると。
それって「キャプテンKen」の雑誌掲載版を見た時にも思ったんだけど
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さらに、「全集」と名付けられたものが何度も出てる。光文社とか小学館とか。
なるほど、講談社で全集を出す話が出た時に、ちゃんと全部出しますね、途中で終わらせず、と巨匠が念押ししたのは過去の経験か。

そこまできてやっと「ジャングル大帝」と向き合える。
僕は、「ジャングル大帝」をアニメで見て、そのあと学年誌で読んだ。
P.215に書かれている昭和40年10月の「小学二年生」が僕の学年。
同時期にB5で発売されてたという「サンデー・コミックス」は多分見かけてると思うけど、全く意識になかった。
アニメ「ジャングル大帝」の再放送を見て、Opでボロ泣きしたのはずっと後(高校か大学)のこと。
特に、アニメで描かれた「ジャングル大帝」の世界が文明礼賛であり、オイルショック以来のあれこれと全く合わない価値観だというとこにも無関心の原因があったかな。
そういうわけで、小学館から出た手塚治虫全集版の「ジャングル大帝」は、貸本屋の店頭で見てるはずだけど、スルーしてた。いまさら、だったし。時期的にはオイルショックの前だが。
だから、ムーン山での悲劇を知ったのは、なんとオトナになってから。
アニメにそんなのなかったし、いまさら学年誌以外のメディアで「ジャングル大帝」を読む気などなかったから。

マンガ・アニメ的には黄金期と言える時期に育ったにもかかわらず、そういう不幸な巡り合わせになってしまって、「ジャングル大帝」をちゃんと読んでなかったのは、この本を読むと大失敗。
で、ジャングル大帝には漫画少年連載版からのストレートな流れの末端である小学館全集版と、その前から枝分かれしてるとこから講談社の全集に行った現在の主流版の2系統があると。
いまさら読もうと思った時に、電子版で読みたいんだけど、今手に入る2種類って、どっちも全集版か、別々か、どうなのか書いてなかったのが凄く不満。
両方買えばいいのか?
ちなみに数年前(十数年前?)、ムーン山の悲劇まで描いた劇場版アニメを見て、うわああと思った。多分その時点で原作の最後まで何らかの形で読んでたんだと思うが。