買ったのはここ。
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初出 読売新聞 1959年9月~1960年10月
初単行本 1960年中央公論社
読んでる途中で初出をチェックして、昭和30年代のいつ頃が舞台かわかった。
ついでにわかったのが、「ぽんこつ」という言葉がどうやらこの小説で広まったらしいこと。
hugkum.sho.jp
記事の本文では「生まれた」とまでは書かれてないので、一部では使われていた言葉が全国紙の連載小説で広く知られるようになったということかな?
山の手の医者の娘である女子大生と、下町江東区のポンコツ屋の従業員の出会い。
医者の家に生まれた兄妹が中古の自動車を手に入れるところから始まる。
ポンコツ屋は車の中古部品を商売にしていて、そのあたりが接点になるんだけど、女子大生の友人(女)が乗ってるのが中古のシトロエン2CVだったり、車の部品にしてもメーカーや車種の名前がいろいろ出てくる。
スバル360が出たのが1958年なので、モータリゼーションのはじまりぐらいの時期?
8ミリカメラやテープレコーダーなど、今ならスマホひとつで全部できそうなことを専用のアナログな機械でやってる様子が、多分当時の一般人の感覚からは進んだ人に見えたんだろうな。
本文中に出てくるけど、東京大空襲からたった15年ですよ。
その時期に見合い写真を8ミリの動画で見せるアイデアを思いつくとか、交通戦争といわれる状況に対して何が必要かなどの描かれ方が進歩的。
大阪の親類に会いに行くエピソードでは「第一こだま」で行って、帰りは
大阪を夜の八時四十五分に出る宇野始発の急行「瀬戸」号である。
「瀬戸」号は、翌朝七時九分に執着東京駅へ滑り込んだ。
と、細かな描写が阿川弘之だなぁ。
あと、麻雀が出てきたり競馬の馬券を買うエピソードが詳細だったり、とにかく当時の社会風俗描写が面白い。
日替わりに出てこなかったら多分読んでないだろうこの小説を読めて良かった。
