a_sue’s diary

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『「夢の超特急」、走る! 新幹線を作った男たち』 碇義朗 文春文庫

買ったのはここ
以前読んだ山之内秀一郎さんの『新幹線がなかったら』や、「鉄道データファイル」などで新幹線開発の歴史についてはおおむね知ってるつもりになっていた。でも、この本は当時現場で新幹線開発に携わった人たちの話をまとめ上げたもので、外から見た話とはその生々しさが違う。
戦前の弾丸列車計画からつながる人の流れ、終戦で行き場を失った旧日本海軍、陸軍の技術者を取り込み、国鉄が戦後日本の技術をまとめていた話など。広軌別線で東海道の輸送力をアップする計画。時速200km以上での営業運転計画が、いかに当時の世界の常識に外れたものと見られていたか。計画を実現するためにあらゆる手を尽くす。
島技師長の、技術について的確に評価・判断をしながらビジネスとして成り立つ形に全体をまとめていく能力というのが、あらためてすごいなと思う。
あのとき、新幹線計画に関わった人たちが強引とも言えるやり方で東海道新幹線を作ったことが、現在の鉄道の姿をあらしめているのだ。

「夢の超特急」、走る!―新幹線を作った男たち (文春文庫)

「夢の超特急」、走る!―新幹線を作った男たち (文春文庫)

新幹線がなかったら (朝日文庫)

新幹線がなかったら (朝日文庫)