『天体の回転について』小林泰三ハヤカワSFシリーズ Jコレクション早川書房

買ったのはここ。
収録作と初出一覧

天体の回転について	SFマガジン	2005年2月号
灰色の車輪	SFマガジン	2001年11月号
あの日	『教室異形コレクション』
性交体験者	SF Japan	2003年秋季号
銀の舟	You&I SANYO	1997年1〜11月号
三〇〇万	SFマガジン	2008年2月号
盗まれた昨日	SFマガジン	2007年2月号
時空争奪	書き下ろし

ついこないだ「ミステリー」を読んで、今度はSF。
しっかりした科学考証に裏付けられた作品を一般にハードSFというのだけど、表題作の「天体の回転について」は、物理法則がメインとなる、まさにハードSFな作品。
小林泰三の魅力は、しっかりしたハードSFと同じようにしっかりした考証に裏付けられているのに、常識では想像がつかないような状況を見せてくれること。いや〜、なんかまったく違う考え方を提示されて、なにそれはと思いながら読む楽しさというのは、SF読んでて良かった〜という至福の瞬間ですよ。
そのとき感じる驚き、歓びを「センスオブワンダー」という。この本は「センスオブワンダー」に満ちあふれていて、読んでるあいだも読み終えたあとも、とてもしあわせだった。
堪能いたしました。