a_sue’s diary

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『結局、日本のアニメ、マンガは儲かっているのか? (ディスカヴァー携書) Kindle版』 板越ジョージ ディスカヴァー・トゥエンティワン

今月分を今月中に読み終えたが、書いてるのが10日ぐらいたってからなのでだいぶ忘れてる。
2013年に書かれた本。
著者はアメリカで日本の作品を輸入販売するなどのビジネスを実際にやっていたこともある現場の人。なので机上の空論ではない体験に基づいた議論に説得力がある。
日本のアニメ、マンガは高く評価されていると言われるが、それをきちんとお金に換えることが出来ていない。契約で権利を守るとかそういう意識が希薄でいいように持って行かれてたり、製作委員会方式で権利者が沢山いて迅速な意志決定ができず、チャンスを活かせなかったり。
メーカーでいえば、シーズ主導で開発を行い、いい物を作れば売れると考えている一昔も二昔も前の状態。
きちんとマーケティングして、どう売るかを考えた物作りが必要なように、アニメ、マンガもそういう形での企画が必要だと。
自分の考えが混じってしまってるかも知れないが、まあそういう話。
荒木飛呂彦が自著で作品を売れるものにする方法を述べているが、この本の議論はもうちょっと行っちゃって、売れる作品を作る方法論が必要であるといってる。
正直言って、そこまで行くとそれは日本のマンガやアニメじゃないのではないかと、50年以上マンガやアニメを見てきた身としては思ってしまうのだが、きちんとマネタイズできないと続けていくことが出来ないのもまた事実。
制作会社がビジネスとして継続できるよう金を儲けるのも大事だが、末端のマンガ家やアニメーターがちゃんと生活できるだけの収入を得られるような業界全体の再設計が必要なのかなぁ。