a_sue’s diary

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『イニシエーション・ラブ』 乾くるみ 文春文庫

次男が読み終えて面白かったといってたのがリビングのテーブルに置いてあったのでぱらぱらと読み始めたら舞台が昔住んでた静岡付近の様子。やめられなくなって、27時までかけて一気に最後まで読んだ。
裏表紙に

甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。

とあって、まあ普通の小説じゃないんだなという意識はあったが、どんな小説を書く人なのかこの作者を知らないので、そういう意味では白紙の状態で読んだ。
一応謎の多い小説なので、読んでない人はこれから先はネタバレになると思うからご注意。


出てくる地名が知ってる清水〜静岡付近で、携帯が出てこないのでこれはいったいいつなんだと思いながら読んでると、ずいぶん昔の様子。JRとか国鉄とかいってるので1987年あたりとわかったのはずいぶん読み進んでから。
作中に出てくる車がシティなんだけど、1985年ぐらいからずっとシティに乗ってて、清水に住んでた1987年暮れから、川崎の友達のところに月一で通ってた。彼女じゃなくてオタク仲間の男だったが。なので下道で5時間とかがよくわかる。楽しいドライブだったけど。
出てくる女の子については、まあなんというかこんな女と付き合いたくないなと思ったが、男にいろいろ注文出してくるのがなぁ。あ、でも時代がわかってくると、メッシ―君とかアッシー君とかみつぐ君とか、男が女の子に振り回されて金を使わされる時代だからこんなもんなのか。バブルの頃ってそんなだったな。僕は経験ないけど(笑)
で、実はこの文庫では巻末に結構なページ数を使って解説が付いてるので、どこが最終ページになるのかわかりにくくて、なので先を目に入れないようにしながら読んでたんだけど、回想してる場面がおかしい。話が違うじゃん、と思ったらその先に来たのが「最後から二行目」だった。
あれ?
思わず最初の合コンのとこを確認しちゃって、なるほど、そうだったのか!と。
堪能しました。面白かった。

一夜明けて「イニシエーション・ラブ」でググってみると、しっかりまとめてる人がいた。単行本が出た頃に。
謎解き『イニシエーション・ラブ』 序章 時系列データ: 【ゴンザの園】
年表だけ見た。なるほどね。これから他も読みます。
ポーの一族」の年表をつくった私ですから、もっと若くてこの本に出会ってたら、自分でも年表作ろうと思ったろうなぁ。いや、実は中に出てくる日付と曜日でチェックできるなと思ったんだけど、手をつける前に上記の年表見たのでやめにしたという。
単行本が出た当時、ずいぶん話題になってたのね。知りませんでした。
おもしろい本を見つけてきた次男に感謝。

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

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イニシエーション・ラブ (ミステリー・リーグ)

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