a_sue’s diary

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『ビッグコミック創刊物語』 滝田誠一郎 祥伝社黄金文庫 祥伝社

買ったのはここ
ビッグコミックのみならず、当時たくさん出始めた青年コミック誌が創刊された頃の話とかがたっぷり。
ビッグコミックを創刊した小西さんがメインになるのだけど、以前手がけていたという「ボーイズライフ」は、年齢的に合わなくて、タイトルは聞いたことあるが読んだ記憶はない。ひょっとしたら貸本屋で遭遇してるかも知れないけど。さいとう・たかをが描いた007シリーズはコミックで見かけてるけど、それが掲載された雑誌は見たことなかったもんなぁ。
どっかで書いたけど、ビッグコミックは、描いてる作家が少年マンガでおなじみの人ばかりで、だからほんとのマンガ雑誌だと思った。他の青年誌は、マンガ家とはちょっと違う人たちが描いてるイメージがあった。そのあたりの人選とかのこだわりがいろいろとあっておもしろい。
各社がいろいろな思惑で青年向けを創刊したりしなかったり。ここでも少年画報社がヒット作を逃してよそに渡してしまってる話が出てくる。つくづくマンガを見る目がない会社だなぁ。「サイボーグ009」が秋田書店のサンデーコミックスで大ヒットし、それで秋田書店は潤った話が出てくる。少年画報社は「秘密探偵JA」をキングコミックスという単行本で出していながら、同時期におなじ少年キングに連載してた「サイボーグ009」をなぜ単行本化しなかったんだろう。さらには人気絶頂のさなかに、わかりにくいとか言って打ち切っちゃって、それがマガジンに行って伝説のあの最終回になっちゃうし。今度出るカラー再現版がマガジン分から出るってのがすごく気に入らないのだけど。
って、話がどんどん脱線していくけど、そういうことをいろいろ思い出したり考えたりしながら読んだ。
FMレコパルにうる星やめぞんのカセットレーベルが綴じ込みで付くことがあって、その号だけ買ったりしてたけど、その辺も小西さんが立ち上げた雑誌だったのね。
この文庫で残念なのは、口絵とか図版が全くなくて、表紙やマスコットのマークについての話が本文に出てくるのだけど、具体的にどうだったのかわからないこと。以前出た単行本はどうだったんだろうか。
ともかく、面白かった。通勤だけでやめられなくて自宅で読んでしまうほどに。

ビッグコミック創刊物語 (祥伝社黄金文庫)

ビッグコミック創刊物語 (祥伝社黄金文庫)

ビッグコミック創刊物語―ナマズの意地

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