a_sue’s diary

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『新幻魔大戦 [Kindle版]』 平井和正 ルナテック

kindleオーナーライブラリー対象だったので読んだ。
SFマガジンに載ったのは1971年ってことで、変質前の人類ダメ小説を書いてた頃の平井和正の作品だった。
石森章太郎とのマンガ「幻魔大戦」を少年マガジンでリアルタイムに読んでるし、これがSFマガジンに載ってたのも知ってたんだけど、知った頃にはなぜか江戸時代が舞台で、何それわけわかんないよってことで、中学生だった僕は読みたいと思わなかった。平井和正はそのころの僕にとっては桑田次郎と組んでSFマンガを何作か出してる人であって、中一時代に載った「超革命的中学生集団」は読んでたものの、ウルフガイにはまるのは高2の夏休みだし、まだ追いかける対象じゃなかった。というか、まだ誰も追いかけてなかったな。

という話は置いといて、いやあ、これはほんとに変質前の平井和正だわ。
不幸にして単行本が出た1978年にはもう変質してしまっててどうでも良くなってたから、まして幻魔大戦だったから読むこともないまま40年近くたってしまったんだけど、変質前の平井和正で読んでない作品があったとは。不覚だった。
人類ダメ具合がもう昔のまんま。
いろいろ思いながら読んだが、細かいことは忘れた。
出版時のまえがきとあとがきと、ご本人による年表があって、やっぱり「人狼白書」の途中で変質したのね。
書くことが出来なかった「続・新幻魔大戦」のプロットも書いてあって、ああ読みたかったかもと思う反面、変質後じゃなぁという気持ちもあって微妙。
kindleオーナーライブラリーで無料で読んじゃったけど、買うべきだったかも。
予想外に面白くて、大変満足。

新幻魔大戦

新幻魔大戦