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『ほんとうにいいの? デジタル教科書 (岩波ブックレット) Kindle版』 新井紀子 岩波書店

ジブリの『熱風』2021年11月号の特集 学校を考えるで知った本。
紙で73ページというサイズで、kindle版があったのでポチッとしてサクッと読んだ。
2012年に書かれた本だが、内容は古くなってない。

著者は「博士(理学)。専門は数理論理学(証明論)・知識共有・協調学習・数学教育。」ってことで、この分野の専門家。
デジタル教科書というのは、なんとなくタブレットで読む教科書という程度にしか考えたことがなかったが、この本ではハードウェア、ソフトウェア、コンテンツ、ネットワークという4つの要素から構成されてると定義されていて、それぞれについてきちんとデータや論文などを引用して、メリット・デメリットについて議論してある。
こないだ読んだ『スマホ脳』でスマホタブレットという存在が、現状は人を惹きつけてできるだけ長く見させることを目的として作られていると書いてあった。
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子供の教育について、きちんとした議論や検討がないまま箱物行政として全国の小学校にタブレットを配ってそのためのネット環境を整備することの危なさ。
当時の政策としてのデジタル教科書について、ここでも素人の思いつきかと思ったが、もっとひどい箱物で経済活性化のために子供の教育を利用するという劣悪さ。
ちゃんとして欲しい。
息子達は成人してしまったが、これから学校に行く孫世代のために。

この本もkindle版を iPhone で読んだが、紙の読書とくらべると気が散りがちなのは個人的な体験としてある。
ちはみに、25年ぐらい前のWindows 95 が登場する少し前ぐらいから数年間、パソコンで動画や音声を扱うマルチメディアタイトルというのを手掛けていたことがある。
副教材的にはおもしろいが、メインの教科書の置き換えになるようなものではないと思ってたな。