a_sue’s diary

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『新版 伊福部昭の映画音楽』 小林淳 ワイズ出版映画文庫 ワイズ出版

分厚い文庫を持ち歩き読書でやっと読了。
割り込みが多かったから結構時間がかかった。
僕らの世代だと伊福部昭はもちろんゴジラとわんぱく王子の音楽の人なんだけど、その輝きがあまりにまぶしくて、本来の音楽家としての姿を全く知らなかった。
いや、高校時代にハイジを勧めてくれた友達がタプカーラ交響曲とか言ってたので、その曲名ぐらいは知ってたんだが。
知ってる日本の作曲家が、芥川也寸志黛敏郎伊福部昭の弟子だったり、音大の学長やってたり。
すみません、ちゃんとした知識がありませんでした。
そのうえ手がけた映画として『座頭市』とか『サンダカン八番娼館 望郷』とか、知ってるけどあまり見たことないタイトルがどんどん出てくるんだもの。
そんな中で曲の付け方に理論があって、それにならって論理的に音楽を付ける。似たようなシーンに似たような曲が出てくるのもなるほど、と。
伊福部マーチ(マルチアーレ)にもいろんなバリエーションがあって、とか、ゴジラシリーズの中で音楽の付け方が変わったり、1970年代から伊福部昭映画音楽全集が出たりして注目されるようになると『ゴジラ』での曲の意味と違った捉えられ方をするようになったとか。
その頃って、ヤマトからのアニメブームと、マンガ・アニメで育った第一世代のオタクが団塊の世代学生運動の代りにマニア活動にばく進し始めた頃。
いろいろ時代的に思い当たることも多い。
1990年代にゴジラ映画に戻ってきた頃の作品もだいたい劇場で見てるんだけど、みんな同じに聞こえて作品ごとに違うのがよくわからないのよねぇ。
最後にこの新版で追加された部分の中で『シン・ゴジラ』に触れられていて、ゴジラシリーズのあの作品この作品からモノラルのレコードそのままを使っているのだとか、解説されているのを読んでてなんかちょっと泣きそうだった。劇場で初めて見たときはほんとに号泣したんだが。
あらためて、東宝SF特撮映画を見返さなくては。