a_sue’s diary

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『デービッド・アトキンソン 新・観光立国論―イギリス人アナリストが提言する21世紀の「所得倍増計画」 デービッド・アトキンソン 「新日本論」シリーズ Kindle版』 デービッド・アトキンソン 東洋経済新報社

5年前の本なので、今がどう変わってるのかわからないけど、指摘されてるのはいちいちごもっとも。
「気候」「自然」「文化」「食事」という、観光に必要なものが揃っているのにそれを全く活用できないし、自己満足の「おもてなし」を宣伝する見当違いぶり。
観光で何を増やしたいのかって、人数じゃなくて金だろうと言われれば産業なんだったらそれって当たり前。
金を使う富裕層に来てもらうためにどうするかを考えろってのが、なるほどそこか、と。一泊何百万のホテルに、金を使えるいろんな遊び場を提供する。カジノだって依存症の貧乏人なんかは入れないお金持ち向けのを作ればいいんだ。
文化で客を呼ぼうと思ったらちゃんと外国人にわかるせつめいや展示を充実させ、そのために必要な費用は有料にして稼げと。
昭和生まれの感覚だと、寺社が拝観料を取ったりするのを商業主義に走ったとか揶揄しがちなんだけど、それは見当違いなのだな。
ガイドもちゃんと有料にしてその分しっかり滞在時間をとらせる。いかに長期滞在させるかで落としていく金が変わる。
まあ、オリンピックのスタッフを、通訳や医者までボランティアでまかなおうというこの国は5年前と何も変わってないな。
この本を読んで、なんか目からウロコがぽろぽろ落ちた気分ですよ。