a_sue’s diary

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『燃えるサーキット』 高齋正 徳間文庫 徳間書店

初出 週刊平凡パンチ 1979年8月6日号~1980年4月7日号
何度目かの読了。昨夜着手して夜中まで読んで読み終わらず、先ほどやっと読了。
15年後の未来から、殺人を防ぐために現在にきた男が、タイムマシンが迎えに来ず島流し状態になり、迎えが来るまで自動車評論家になってやっていく。
何度読んでも面白い。
過去ブログをチェックすると一度も書いてないので書いておこう。

学生時代に「幻走」というタイトルの連載の2回目か3回目ぐらいをたまたま見て、時間物のSFだと思って毎週立ち読みを始めて、最後まで立ち読みで読んでる。
作者の高齋正が、本屋で見かけるけど手に取ったことがなかった『ホンダがレースに復活する時』というノベルズの作者だと気付いたのはいつ頃だったかわからないけど、時系列でいうとこの作品を雑誌で読んだのが高齋正との最初の出会いって事になるのかな。
1990年に古本屋で各自動車メーカーをテーマにした本をまとめてゲットしてはまったんだけど、この作品が1980年に『幻走 サーキットに燃える』というタイトルでノベルズになってるのは気付かなくて、1986年に出たこの文庫を1992年4月に古本で買ってその日のうちに読了してるようだ。
1992年だとまだ軽井沢方面に行ったことがなくて、初めて読んだときは福岡で学生やてったので地理的な話が全くわからなかったのに対して位置関係がちょっとはわかったはずだけど、まだまだ。
初軽井沢が1996年。その後何度か行ったのでだいぶわかるようになったなぁ。赤城山にはまだ行ったことがないけど、伊香保から榛名山には上がってる。
手元のメモでわかる範囲で最後に読んだのが2004年の11月。
16年ぶりってことですかね。
連載時が現在とすると、15年後の未来は1994年ってことになる。バブルが崩壊してるけど、まだまだ70年代の続きで右肩上がりが続いた先の頃か。
久しぶりに読むと、いろいろツッコミどころも見えてくる。
15年後の未来から持ち込まれたBMWをカーマニアに見られたら大変とかいいながら、再生浅間サーキットでレースをやってるようなバイクの集団に自ら接触して一緒に飯を食ったり走ったりしてるのってどうなの。誰か気付くよね。とか。
自動車ジャーナリズムに対する批判的な描写が多くて、解説に寄ればそれで二流評論家や御用評論家、二流雑誌の編集者たちから睨まれるようになったとある。
カーオブザイヤーの初期には選考委員に入ってたのが外されたのっていつ頃だったかなと調べようとしたが見つからなかった。
まあ、いろいろ敵を作ってきた人だけど、全著作を電子版で出してくれないものかな。
『~する時』シリーズでまだ電子版で買ってないのをとりあえず買わないとダメかな。紙で持ってるけど。