a_sue’s diary

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『虎はねむらない』 平井和正 ウルフ会

買ったのはここ
初出一覧

夜の干潮 白門文学 二九号 1959年9月10日
憎しみの罠 白門文学 三〇号 1960年4月10日
火刑 白門文学 三二号 1961年4月10日
虎はねむらない 白門文学 三三号 1961年6月20日
サノファビッチ 白門文学 三五号 1961年11月10日
見知らぬ者に百合はない 未掲載作品 1960年
偏見の論理 中央評論 七五号 1961年6月20日

ウルフガイへの道標

昔から毛色が変わっていた 本間俊太郎
難読文学を書いていたそのころ 潮田騏一郎
昔も虎が咆えた 池田曠
ずっと怒りを持続していた 伊藤典夫
いつも腹が減ってた 平井和正

解説

60年安保が平井和正氏に与えた偉大なる影響 平山博之

ハードカバーなので家にいるときにだけ読んでたのだけど、当然割り込みがいっぱい入ったので2ヶ月近くかかっちゃった。
途切れ途切れで読んでた割りには、話がしっかり入っていて、これはやっぱり平井和正の文体のなせる技なのだろうか。
完成されてウルフガイのころの文体になる前の未完成な雰囲気というのかもしれないが、懐かしかった。
SFじゃない作品ってどういう意味かと思ったら、大藪春彦的な犯罪がらみだったり、犯罪は起きないけどなにかに怒りを感じていたり。昔からの変わらない情念を感じる。
解説まで読んじゃったので、分析した情報まで入ってきちゃってて、自分できちんと考えをまとめてるわけではないが、人類ダメ小説を書いていた時代の平井和正の雰囲気が強く出ている。
表題作の「虎はねむらない」は、明らかに若い頃のアダルト犬神明の雰囲気があるし。
読めて良かった。

虎はねむらない

虎はねむらない