a_sue’s diary

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『アンの青春』 L.M.モンゴメリ 松本侑子(新訳) 文春文庫 文藝春秋

通勤読書で半月ほどで読了。
高畑勲版が放送された頃、村岡花子訳のアン・ブックス全10巻をまとめて読んだはずなので、41年ぶり?
赤毛のアン」はアニメで見たりしたので話をかなり覚えてたが、2冊目になるとまったくおぼえてなくて、新鮮にこの先どうなるのかとわくわくしながら読んだ。
今回も膨大な訳注がついてるので行ったり来たりしながら読むんだけど、先を知らない状態で読んでるので知ってしまうダメージも少々。致命的な情報は無いのだけど。
この巻では16歳から18歳のアンが描かれていて、グリーン・ゲイブルズに住むことになった小さな女の子の頃と比べたらずいぶんオトナになってるのでイメージするのが難しかったりして。
まったく記憶にない出会いと別れがあって、いろんな愛の形があって、人はどう生きるべきか、ちょっと考えちゃう。
って、今頃言っててもしょうが無いんだけど、我が身をふり返るとまあそれほど間違ったことはしなかったかな。
ということにしておこう。
訳注と訳者あとがきで解説されてるのだけど、過去の作品や聖書からの引用がとにかく多くて、同時代の人なら気付いてニヤッとするところとか、実はちょっと前のオタクのあり方に通じるところがある。
対象がマンガやアニメや特撮だったりするけど、いろんな作品のセリフを引用し、過去の作品を踏まえて話をし、文章を書く。同じ同じ。
新訳「赤毛のアン」を読んだときにも感じたけど、この本のあとがきで確信した。オタクの生き方は正しい。
松本侑子さんの調査の方法も書かれてるけど、パソコン通信から始まってインターネットや電子化された過去の作品などを自在に使いこなしてるのが凄いですよ。
堪能しました。

アンの青春 (文春文庫)

アンの青春 (文春文庫)