a_sue’s diary

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『紙の月』 @WOWOW

宮沢りえ主演の2014年の映画。
見たいと思ってたのだが、さいわい始まる前に気付いたので試聴予約を仕掛けて頭から見た。
銀行の契約社員をしてる子供のいない夫婦の妻が、客の金を横領する話。というのが雑なまとめ。
舞台は1994年から1995年あたりで、公開当時、今だったらこんな書類操作はできないと聞いた。
お客さんはみんな引退して小金を持ってる年寄りで、まだバブルがはじけたといっても世間の景気は冷え込んでないし、退職した年寄りはみんな余裕があるから動かすお金もけっこうアバウト。
こっちは楽隠居にはほど遠くてまだ働かなきゃならない身なので、ちょっと比べてしまってうらやましかったりする。
そんな中で偶然出会ったお客さんの孫の大学生と関係を持ってしまうのだけど、その大学生が学費を150万ぐらいサラ金から借りてて、なんか奨学金の借金を抱えてる息子とかとかぶる。
なんか微妙に身につまされるものがたくさん詰まった映画。
宮沢りえの夫婦関係も、上からな旦那が悪人じゃないのだけど自己中なとこがあって、夫婦で見ながら自分も同じようなことしてないかとか、そういうことをいろいろ考えてしまって冷や汗かいてたりして。
大学生につぎ込んだ宮沢りえも、つぎ込まれた大学生も、どんどんダメ人間になっていくのが怖い。
そんな生活したら、数百万なんてあっという間になくなっちゃうだろうと思ったら、次々と犯行を重ねていって、総額がとんでもないことになる。
宮沢りえの、危なっかしい感じが凄い。大学生と付き合うようになって、どんどん輝いてくるんだけど、それがまたくすんでいく感じとか。

結末は書かないけど、まさかああなるとは思わなかったので意表を突かれた。
約2時間、心が動きまくったので、いい映画だったと思う。