a_sue’s diary

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『夜にかかる虹 下』 平井和正 リム出版

上巻のあと着手。ハードカバーなので持ち歩かずに家で2週間。
下巻は、基本的に変質後。いきなり「狼通信」打ち切りのお知らせから始まってるし。
それでも読んでいて意外に変わってないことに驚く部分もある。ケンカ屋の部分は影を潜めているが、自分の規律を守って行動しているところとかは変わってないような。
言霊って、結構前から言ってたような気がするけど、変質後なんだっけ?
同じ言霊使いの小説家、佐々木君紀氏との対談が載ってて、知らない人なので検索すると、90年代に何作か書いたあと本が出てないみたい。ちょっと興味が出たが、まあいいか。
めぞん一刻」と出会ってウルフガイが再開したあたりの話は読んでいたが、その後五代が経験したころに書かれた未公開の文章が載っていて、めぞんは「坂の途中」がピークで、あとは引き延ばしてただけのような話で、こないだ読み返したときにうんざりしたのはやっぱその先のあたりかな。
この本が出たのは1990年なのだけど、すでに若い読者が減って出版界は大変な状況になる話が書かれてる。割と早い時期にそういうのを感じてたのね。中高生のころにウルフガイの洗礼を受けるのは、ある層にとって当然のことだったのだけど、その層の人口が減ったということか。
巻末に、収録されてる文章の解説を佐々木君紀氏が書いてて、著作リストがある。1990年までだけど。
幻魔大戦の小説には着いていけなかったが、平井和正は少なくともその前期の作品群にかなりの影響を受けたのは間違いない。
ありがとうございました。

夜にかかる虹〈下〉

夜にかかる虹〈下〉