a_sue’s diary

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『太陽の王子ホルスの大冒険 (スタジオジブリ絵コンテ全集第二期)』 演出:高畑勲 絵コンテ作画:大塚康生 徳間書店

じっくり読むとか言いながら、土日に一気読みしてしまった。

横向で収録されているのがなぜかと思ったら、元が横長だそうで。

絵コンテの内容について。
動きに関して各シーンの細かな指示がある一方で、ヒルダの表情についてはほとんど指示がなく、あれはすべて森康二さんの絵の力だったのかと。
最終的に止め絵になった狼襲撃シーンにも動きのある絵コンテが描かれていて、これが止め絵に変更されて廃棄されたという部分かとしみじみ。
ドラーコとヒルダが会話するシーンで、壁に掛かっている楯にヒルダが映ったり映ってなかったりするところがずっと謎なんだけど、絵コンテには楯自体が存在しない。うーむ、あれは何なのだろうか。

最初に高畑さん、最後に大塚さんの文章が収録されていて、その中で当時のコピーを作る技術の中で元の線は残っていないのだと書かれている。
挟まってる小冊子で、藤津良太さんがゼロックスによるマシントレスが初めて導入された作品と書いているが、ゼロックスを絵コンテのコピーには使わなかったのね。
大塚さんが、東映長編に絵コンテシステムを取り入れたのは高畑勲で、長編における演出のあり方を変えたのだと書いている。
逆に鉄腕アトムなどのテレビ作品では当たり前のように絵コンテがあったはずなので、長編でも昔から絵コンテがあったものとばかり思い込んでいた。
国産テレビアニメが出来る前から見てるけど、ちゃんとスタッフとか製作過程とかについての知識を持ち始めたのは高2の時に同級生からハイジがいいから見ろと言われてからなので、昔の体制とかについての知識がなかった。
こないだの高畑勲展でじつは高畑さんが初めてやったことがいろいろあったのだと知ったが、まだまだ初めて知ることがある。
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ロマンアルバムをもう見返すこともないからと処分したのは失敗だったかな―。