a_sue’s diary

a_sue の日記 はてなブログ版

『熱風(GHIBLI) 2022 11』 スタジオジブリ

ジブリが無料配布してる小冊子。
ここ数年、昼休みに行けるとこに取り扱い書店があるのでもらって読んでる。
今月号は内容があまりにも凄すぎたので書いてしまおう。
あと、パーマネントリンクを張れると気付いたのもあるが。
www.ghibli.jp

表紙に書いてあるジブリパークの話はどうでもいい。
男鹿和雄さんによる「追悼 小林七郎さん」。
アニメの背景美術のポイントとか、小林さんに指導された話、想い出など。

氷川竜介さんの連載 昭和アニメージュの功罪 第7回。
1960年代後半から70年代にかけて、テレビまんがと雑誌掲載作品の関係にメディアミックスが絡んで、実写の「悪魔くん」とかうまれたり、いろいろとにかく簡単にまとめられないくらいの情報量。
筆者と同世代なのでそれらをリアルタイムで見てきてるけど、そんな背景があったのかと驚くようなことがいろいろ。
SFとヒーローに特化してたというぼくらマガジンの話は、創刊から休刊まで知ってるけどそういう風に考えたことはなかった。
ここでは特に書かれてないが、「謎の円盤UFO」のUFOどアップの表紙がすごく印象に残ってて、あれもそういう方向性の表れだったのかな。
平井和正月刊少年マガジン掲載の「スパイダーマン」の原作に入ってから「ぼくらマガジン」で「ウルフガイ」と「デスハンター」の原作を書いて、その小説版で小説家として快進撃を始めるとか、確かにそうだったけど大きな流れとして捉えたことがなかったのでいろいろ新鮮。
で、アニメージュがテレビまんがから特撮を切り捨ててアニメーションに特化したため、以後特撮とアニメが別枠になってしまったというのが功罪の罪であると。
まとめるのが下手なので、元の文章を読んでもらうのが一番なんだが、これだけの情報をもった連載なので、完結後はきっと書籍にまとまるだろう。

連載 薪を運ぶ人 第10回は映画プロデューサー高橋望に訊く②「1979―ガンダムと青春」
会ったこともないが、実は高校の3年後輩に当たるらしい。僕は4年通ったのでどっかですれ違ってたかもしれない。
ガンダムの衝撃と、それにともなう大学でのSF研、特撮アニメ研からのいろいろとか、全体を俯瞰する氷川さんの文章を読んだ直後に、個人の経験だけを書いてあるのでちょっと戸惑いつつ読むが、これも自分で経験してる時期の話なのであったあったとか、そうだったのかとか興味深い。

そして 連載 へそ曲がりメカ放談 第5回 プラモデルと縮尺模型と実物②
プラモデル設計思想の根幹に関わる話がディープ。なぜここに載ってるんだろう、という内容で。
かつて僕も夢中で作ってたタミヤのミリタリー・ミニチュアシリーズのデフォルメの話と、現在の縮尺模型の話。
またインタビュアーの額田編集長がいちいち突っ込むのを一刀両断切り捨てる。
これもリアルタイムに見てたものの話がたっぷりで、そうなんだとか、いろいろ驚きながら読んでいた。
最後にモデルガンの話になって、「アメリカで本物を取材して3次元測定したデータを使って1/1の本当に正確なモデルガンを作ってる方が居ます。」と。
もちろんエランのことに違いない。次号が楽しみ。

というわけで、読み応えのある記事がたっぷりで今月号は特に良かった。