a_sue’s diary

a_sue の日記 はてなブログ版

『手塚治虫とボク』 うしおそうじ 草思社

買ったのはここ

実は読む本がいろいろあって忘れかけてた。

着手したら止まらなくて、満員電車の中でも頑張って読んだ。

実は、僕が物心ついた時にはうしおそうじはもうマンガを書いていなかったので、名前を知ったのはだいぶあとのことだった。で、その時もピープロの社長で元マンガ家だったそうだということだけしか知らなかったので、この本の内容はびっくりの連続でありました。

東宝でアニメや特殊効果を手がけ、かの円谷英二にも評価される技術を生み出したりした特撮マンであり、アニメーターであり。一時期児童漫画を書いていたけど、やはり映像の世界に戻りたくてピープロを立ち上げる。テレビマンガの「ゼロ戦はやと」「ハリスの旋風」「ドンキッコ」「ヤダモン」など、全部見てるよ。

で、「マグマ大使」ですよ。なぜ手塚治原作の「マグマ大使」をピープロで実写化したか。手塚作品なのに虫プロ以外で映像化というと東京ムービーの「ビッグX」があるけど、その顛末がまた驚くような話で、大塚さんが藤岡さんのことを書いた「リトル・ニモの野望」には出てこない、東京ムービー誕生の裏話。いやびっくりだわ。

当時子供だった僕らの世代にしてみれば、手塚治虫の作品はたくさんテレビ化されているなぁという割と単純な話になってしまっていたのだけど、その裏ではいろんな話があったのだなぁということで。

手塚治虫との個人的な思い出話よりも、当時の児童漫画の置かれていた環境や、アニメスタジオのなりたちと移り変わりなど、これまで資料的な本で読んでいたのとちょっと印象の違う歴史がたくさん詰まっていておもしろかった。

実はこのへんの話を書いた本を立て続けに読んでいて、前に読んだ本で仕入れた知識が次の本を読んだ時の感想に影響を与えているので、できるだけ順番に書こうと思ったのだけど、いきなりこれのことを書いてしまった。途中読んだ本のことはまた後日。