月曜から読むと書いたけど、結局着手して一日家にいるあいだに読み終えた。
萩尾望都と竹宮恵子が、手塚治虫の影響からマンガを描くようになり、大泉で共同生活を送った頃までとその後日譚的な話。
著者の著作を検索するとマンガ評論を専門にやってる人に見えないんだけど、あとがきまで読むとそれなりのマンガ読みらしい。
マンガ読みがマンガ評論家たり得るかというのは置いといて、とりあえず膨大な過去資料を参照して複数の証言を付き合わせて事実をあぶり出そうというスタンスで、真面目に調べてる印象。
あげられてる資料の一部は読んでるけど、読んでも記憶に残ってないことが大半かな。
増山法恵さんが最初萩尾望都のファンだったというのは初めて読んだかも。
芋づる式にいろんなマンガ家の話も読めておもしろい。
西谷祥子の話とかほとんど読んだことなかったし。ただ、ギムナジウムものが出てくるんだから「学生たちの道」にちょっとは触れて欲しかったが。
で、大泉サロンの時代。
僕が読んだのは「ポーの一族」が全3巻で、「トーマの心臓」の連載は終ったあとで「この娘うります」が始まる前ぐらいから。だから「この娘うります」は初回から連載分を読んでいる。
その後1981年春ぐらいまでの萩尾望都の雑誌掲載分はほとんど追っかけてるし、竹宮恵子もメジャー処はだいたい押さえてて、この本では出てこない「夢見るマーズポート」もちゃんとスクラップしてたりする。
そういう作品を読みながら、少年マンガと違って少女マンガはなんでもできる懐の広さが凄いとか思ってた。まあ、他誌で和田慎二や柴田昌弘がいろいろ描いてたのもあるが。
それをこの頃勝ち取ったというのは『少年の名はジルベール』で読んだが、増山さんが革命を起こそうとした結果だったというのは初めて知ったかも。
とりあえず、休みを一日つぶして一気読みするくらい面白かった。