買ったのはここ。
ちょっとやめられなくて連休で家にいるあいだに読了。
いやあ、大きなエピソードでおぼえてるとこはたくさんあったけど、けっこう物語構造の記憶がいい加減で、新鮮な気持ちで楽しめた。
かつて、映画『ジュブナイル』の感想で「時間ものの王道。パズルのコマがはまっていく快感」と書いたことがあったが、最初にその体験をさせてくれたのがこの作品だった。前の文庫を何度も読み返したという記憶はないので、多分読むのは25年ぶりぐらいだったはず。今読んでも少しも古びてないのがすばらしい。若い人にはぴんと来ないだろう言い回しが多少あるかもしれないが。
前の文庫を買った頃って、上京して1年たってない時期で、僕にとっての東京はアメ横と秋葉原と神保町と渋谷と新宿がそのすべてだったと言っても過言ではなかった。銀座なんて行く用もなかったし。今思えば汐留のあたりをもっと見ておけば良かったとか思うが、それは別の話。
で、今は銀座の地理もだいたい頭に入ってるので、この作品に出てくる場所がだいたいわかる。昔は白木屋の火事の話は知ってても、それがどこにあったかすら知らなかったのだから大きな違いであるなぁ。
過去の風俗のディテールの描写と、時間ものとしての緻密なパズルがこの作品の大きな魅力になっていて、それは何年たっても古びることはない。
いつまでも読み継がれることを願っています。
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