a_sue’s diary

a_sue の日記 はてなブログ版

『軌道エレベーター 宇宙へ架ける橋』 石原藤夫・金子隆一 ハヤカワ文庫NF 早川書房

買ったのはここ
いろいろ未読がたまってるのだけど、すっ飛ばして読んだ。
軌道エレベーターについて、力学的な解説から、その応用と可能性について幅広い内容をまとめた1冊。
ポピュラーサイエンスから12年前に出た本の文庫化だそうだけど、そっちは存在を知らなかったか、目にしてもスルーしてたかで読んでない。残念ながら、そちらに収録されていたという軌道エレベーターをあつかったSFのリストは今回収録されてない。
軌道エレベーターといえばクラークの「楽園の泉」が有名だが、それを読む前から概念は知ってた。けど、いったいどこでどう知ったのかさっぱりわからない。
大学の授業で、鋼鉄をぶら下げていくとどこかで重さが引っ張り強さを越えて切れてしまうという計算をさせられたことがあって、あの先生だったから材料力学じゃなく機械設計法の授業だったと思うんだけど、その時に「だから軌道エレベーターは難しいのか」と思ったか、それともあとで「あの計算は軌道エレベーターの話だったのか」と思い当たったのか不明。なんにしても1979年のはずなので、割といいタイミングで力学的な計算には触れたことがあったわけだ。
ただそこからの広がりはあまりなくて、赤道上の静止軌道と地表を結ぶ形態しかあり得ないと思ってた。だから「劇場版サイレント・メビウス」で東京湾軌道エレベーターを建設してる話が出てきたときに嗤っちゃったんだけど、この本には高緯度に軌道エレベーターを建設する可能性についても紹介されていて、嗤ったわたしがものを知らなかっただけということで。でもまあ、1991年のあの映画がそこまで考えての作品だったかどうかはわからないけど。
こないだ野田司令の『宇宙暮らしのススメ』を読んだが小惑星移民をしながら資源を確保して軌道エレベーターを作るというのが現実的な宇宙進出方法ということになるんだろうか。
そうなったとき、社会はどう変わっていくのかとか、そういう話を誰か書いてくれないかな。
とかいろいろ考えながら、面白く読んだ。